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| 『建築知識』2007年10月号No.627 特集 木造現場入門 [写真帖+DVDビデオ] | |||
| 現在の一般的な在来工法の現場作業がよくわかる一冊 | |||
当サイトは、ムック等も含めて専ら「図書」を紹介しているが、本書は「雑誌」でありながらも、あえて例外的にとりあげることにした。この雑誌では、DVDビデオ付きで木造現場入門という特集が組まれており、特に設計を学ぶ者を対象に、設計実務に役立つ現場施工の知識を紹介している。 その内容構成は、「地業・基礎」、「プレカット工場」、「建方」、「屋根」、「外壁仕上げ」、「外部開口部」、「断熱」、「内部床」、「内部壁」、「内部天井」、「階段」、「建具・建具枠」、「電気・空調・給排水設備」、「デッキ・バルコニー」となっている。それぞれの項目について、豊富なイラストや写真を用いて解説がなされていて、とてもわかりやすい。 また、付録のDVDビデオも、飽きることなく一気に観ることができる。内容は、「オープニング」、「基礎・土台敷き」、「プレカット工場」、「建方」、「木材の特性」、「屋根」、「外壁」、「設備・シロアリ」、「エンディング」となっている。特集記事を読むか、DVDビデオを観るかということではなく、両者は同テーマで別内容と言ってよく、「読む」と「観る」の両方が必要だ。 今時の木造軸組工法による家づくりが非常によくわかる内容になっており、設計を学ぶ者だけではなく、これから注文住宅を建てる人やセルフビルドに挑む人にも、必ずや参考になるであろう保存版の1冊である。 |
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| 『セルフビルド 家をつくる自由』 | |||
| いずれも個性派揃いのセルフビルド事例集 | |||
この本は、セルフビルドによってつくられた(あるいはつくられつつある)家とその家づくり、家主兼建築者を多数取材して一書にまとめた本である。建築例を、「第1章 セルフビルドの極みへ」(8例)・「第2章 自由自在のセルフビルド」(7例)・「第3章 セルフビルドは脱建築へ」(8例)・「第4章 ハーフビルドという選択」(7例)の4つのカテゴリに区分してレポートしている。また、その要所要所にセルフビルダーである陶芸家と建築家の著者による、家づくりのために役立つ、土地さがし、資材調達、製作技術、樹種、予算、法律などをテーマとしたコラムが配されている。 また、最後に編著者が取材して受けたセルフビルドの住宅から受けたインパクトやセルフビルドやその進め方などの類型化などの内容を、鼎談形式でまとめている。なかなか妙味のあるしめ方だ。そして、巻末には本文に出てくる建築用語や建築道具の開設がついている。一軒一軒の事例について、建築主の思い・努力・創意工夫、外装・内装や外構工事の造りや工程などが手際よく紹介されている。 個々の事例は、概観や内観が見開きのカラー写真ページで紹介されていて、家の雰囲気や造りの個性がよく伝わってくる。写真のコメントなどに校正漏れが若干目立つものの、モノクロのページにも写真や図がふんだんに用いられていて、具体像がつかみやすい。 セルフビルドといえば「コストダウン」というのが定番の考え方だが、この本で取り上げれている実例は、どれも、自分でできることは自分でやる、自分の希望は自分で実現するというコンセプトに支えられた個性派揃いの家だ。趣味や志向などの家に対する自分の思い入れや夢がつまっている事例ばかりだ。中には家づくりがライフワーク、趣味の域になっている例も多く、建築アートの域に達しているような家も紹介されている。 とにかく、「やろうと思えば、自分でやっても、ここまでできるんだ」という勇気と意欲を与えてくれる1冊である。セルフビルドに少しでも興味関心を抱いている人に、またセルフビルドを決めた人、作業にかかり始めた人にも、広く一読をすすめたい。 |
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平成19年改訂版 |
『平成17年改訂 枠組壁工法住宅工事仕様書(解説付)』 | ||
| 一般的な2×4工法の詳細を学ぶ上で有用な一冊 | |||
この本は、フラット35(公庫証券化支援住宅)技術基準対応の仕様書で、設計検査・工事請負契約などの添付の用途にも使えるように構成されている。素人が読んでおもしろいものではないが、この解説付きの仕様書は、枠組壁工法、すなわち2×4工法の家がどのように造られているかを知るために有効な本である。 さて、内容であるが、最初の部分のコメントは省略するが、特に「〔U〕工事仕様書」が最も参考になる。その内容は、「1.一般事項」・「2.仮設工事」・「3.土工事・基礎工事」・「4.躯体工事」・「5.屋根工事」・「6.給排水設備工事」・「7.ガス設備工事・ガス機器等設置工事」・「8.電気工事」・「9.断熱工事」・「10.内外装工事」・「11.建具造作工事」・「12.塗装工事」・「13.衛生設備工事・雑工事」・「14.省令準耐火構造の住宅の仕様」・「15.3階建の仕様」・「16.耐火構造の住宅の仕様」と、順を追って住宅建設の各工事の解説が記されている。また、次編には、省エネルギー性能・耐震性能・バリアフリー性能のに関する解説もある。 自分で枠組壁工法の勉強をしようと思った人が、最初にこの本を冒頭から読みすすめたら、気力が持たないに違いない。しかし、この本は、各工事ごとに、「一般事項」を概括し、次いで各必要事項を要領よく仕分けして解説しており、参考図などもとても勉強になる。2×4工法で家を建てることを本気で考え出し、かつ具体的に各部分の構造やおさまりなどが気になりだしたら、必要部分からでもじっくりと読み込むとよいだろう。 なお、本書については、「平成19年改訂版」が出ているので、これから入手する場合は、この最新版にした方がよい。また、北海道の場合は、北海道版の分冊(200円)が出されており、全国版と併用して参照する必要がある。 |
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| 『自分でわが家を作る本。』 | |||
| 在来工法(木造軸組工法)によるセルフビルドの実践とアドバイスを紹介 | |||
この本は、岩手県職員として林務畑を歩いてきた著者がHPに公開してきた、独学によるセルフビルドの実践ノウハウを一書にまとめたものである。序章と壁量計算例・参考文献などを示した付編、セルフビルド奮戦記と題した9つのコラムと、全9章立ての本編からなる。本編は、1)材料入手法、2)設計と確認申請・模型、3)布基礎・ブロック基礎の自作、4)墨付けと刻み、5)上等作業、6)屋根工事、7)壁工事、8)内装工事、9)配線・水回り・換気などの設備工事と順を追って実践から得たノウハウが解説されている。 入手が容易なセルフビルドの実践的解説本といえば、そのほとんどがログハウスと2×4工法というのが現状であるが、本書は「在来軸組工法」によるセルフビルドの解説本である点が特筆される。言うまでもなく、在来工法は日本の風土に合わせて各地域ごとに確立されてきた工法であり、いわば日本の家造りの「古典」である。また、何よりも一般に屋根がかかるのがはやい工法であるという点で、セルフビルドの場合こそ、実践を検討してみたい工法であったが、本書の刊行によってそれが実現可能となった。もっとも、他の方法の実践的解説本と同じで、一書のみ勉強すればすべてが足るという本ではないが、在来工法で家をセルフビルドしてみたいという人は、ぜひ一読したい重要参考図書であることは間違いない。 それ故に欲を言えば、「参考文献」については、リストを掲載するのみではなく、どの点が参考になるかというコメントもぜひつけて欲しかったが、これについては筆者のサイト「DIY 日曜大工で家をつくる…セルフビルドのノウハウ」に紹介されている。 |
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| 『絵解き 住まいを守る耐震性入門』 | |||
| 在来工法(木造軸組工法)による耐震性強化のポイントを比較的平易に解説 | |||
この本は、季刊誌『チルチンびと』2005年夏号から2006年春号に8回にわたって連載された原稿を一書にまとめたものである。設計者・工務店などのプロのみを対象にした本ではなく、頑丈な家を建てたいと思っている住まい手も対象としている点がまず特徴としてあげられる。 内容は、「1.構造の基本編」から始まって、「2.地盤・基礎編、3.軸組編、4.耐震壁編、5.床組(小屋組)編、6.接合部編、7.屋根(小屋組)編」と続き、「8.信頼できる家づくりのために」で締めくくられている。各ページにはカラーで描かれた絵がふんだんに盛り込まれており、固さのない平易な文となっており、連載中から好評を博したというのもうなずける。 この本は、在来軸組工法について取りあげた本である。工務店に頼んで注文住宅を建てたことのある人ならば誰しもが経験したのではないかと思われるが、間取りや内外装はかなり自分のペースで事を運べても、軸組構造に関しては工務店任せにならざるを得ないということが多いと思う。家づくりにおいては、採光と開放感を意識した開口の取り方と、耐震性を考慮した軸組のあり方とは、せめぎ合いであるが、「素人」目には大げさに言えば大工の経験などに全面的に依拠する、ある種「秘奥義」・「ブラックボックス」的な要素が強いと思う。構造の基本的知識がない故に、その辺の話を持ち出されて「いいように丸め込まれた」ような感じを受けたことのある施主も少なくないのではなかろうか。 注文住宅にしても、セルフビルドにしても、このような良書を読み、基本的な知識をきちんと身につけた上で、家づくりに取りかかりたいものである。全100ページ強の薄手の本であり、さほど時間をかけないで読み終えられるのもありがたい。 |
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| 『二人で建てた家 「田園に暮す」それから』 | |||
| 房総の元棚田の丘陵に暮らす夫婦の生活と仕事のためのセルフビルドの記録 | |||
著者は房総半島の古民家を改築して15年間暮らし、菜食文化など自然と共生するライフスタイルを貫き、それを広く探求・紹介するエッセイスト。独特のライフスタイルとそれを支えるバックボーンは、第1章「新しい器を『理想』で満たす」で、エッセイ風に平易な語り口で紹介されている。カバーをはじめ随所に盛り込まれている写真は、外国出身の写真家である夫によるものだ。 この夫婦が旧居を出ることにして500坪の元棚田を購入し、よき地元工務店との出合いやその良心的な仕事に支えられ、無借金でコツコツと新居を建築していく様、「夫唱婦随」?でエクステリアや内装などをハーフビルド方式で手づくりし、完成に漕ぎ着けるまでのストーリーを綴った書き下ろしの文庫本である。 家づくりそのものについては、第2章からが本題。この章は「実現への第一歩『土地と資金の確保』」として、手に入れた土地に電気を引き、進入路確保のため「里道」に関係する地権者との協議を行い、夫が道づくりに励み、ダウンジングによる井戸掘りをし、さらに資金繰りとグランドデザインの検討などを進めていく様子が克明に紹介されている。 また、第3章「建築歳時記『手探りで家を建てた一二か月』」が、建築そのものの進展を書きつづった章であり、この章ひとつで全体の半分近いボリュームを占める。12月〜始まった冬の基礎作り・躯体工事は、契約した地元工務店のリードで進められていくが、夫もその作業を手伝う。細かな「こだわり」によって、当初おぼろげだった計画が、ひとつずつ工程が進んで次の工程に入るたびに修正されていく。 ハーフビルド方式は、建築主側もデザインや間取りプランの域を踏み越えてある程度勉強し、て事前に入念な打ち合わせを重ねていかないと、変更のたびに工程や時間に無駄が生じる。そして、双方に気遣いややり直しなどから来るストレスがたまってくるが、その典型例の途をたどり、苦労しながら、建築が進んでいく様子が描写されている。 さらに春になると、工事は最も難関で大詰めとなる階段づくりまで進むが、このあたりから、建築中の家に泊まり込みながら(引っ越して?)、今度は夫の作業と妻の手伝いで家づくりが進められていく。夏場が内装・建具・設備などの細やかにして手の込んだ作業や大きい出費を要する工事の時期だったようだ。齢50歳ほどででのこの作業は、労働の喜びや充実感を味わったことと同時に、肉体的には限界点までの挑戦になったようだ。 確かに、最低限の先立つものさえあれば、セルフビルドは、体力的に理想を言えば、40歳くらいまでに実践したいところだろう。かく言う評者も40歳過ぎにしてこの限界に挑んでいるので、その苦労や心境は本当によく綴られているという感想を持った。しかし、身体のあげる悲鳴とは裏腹に、建築主と施工者が同一というセルフビルドのメリットは、やがて最大限に形となって現れてくる。人目にもそれとわかるくらいであるから、当人同士にとっては如何ばかりの感慨だったろうかと推測される。 なお、ハーフビルド方式はセルフビルド方式の「簡易版」のような認識が広く流布しているように思う。しかし、これを読めば(また評者の体験からも)、ハーフビルドにはフルビルドにはない苦労もあることがよくわかる。ましてや筆者宅の場合は、大工工事だけではなく、道路造成工事、基礎の土木工事、左官工事、その他外構工事などまで自身でこなしており、その難儀と達成感は如何ばかりだったろうかと思わされる。 ハーフビルドに興味関心を抱く方には、ひとつの実践例として要を得たリポートとなっている文庫本であり、、ぜひ一読をおすすめしたい。 【注】この本のレビューは2年前に執筆してUPしましたが、何からの理由で文章を消滅させてしまいました。 そのため、上記の文は再読の上、2008.5.3に新稿として書き直したものです。 |
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| 『やさしく学ぶ Jw_cad5』 | |||
| セルフビルドのための設計におすすめしたいJw_cad 5の極めてすぐれた解説書 | |||
この本は、あまりに有名なフリーソフト「Jw_cad 5」のマニュアル本である。cadなどとは全く無縁だったが、たまたま図面を書く必要が生じ、これを機会に独習で挑戦してみようということで、あるマニュアル本を買って挑戦してみたが、独習では進まず、この本を購入してトライしてみた。休み中に集中的に取り組んでみたところ、4日間で最初から最後まで一通り終えることができた。これもひとえにこの本がマニュアル本として極めて優れた書であるからに他ならない。説明が丁寧で、全編を通してよく意味がわからないという部分は1カ所しかなかった。巻末にはFAXで質問に答えてくれる質問シートがついているので、このようなことがあったとしても安心できる。 新しいソフトを独習するときには、マニュアル通りにやったつもりでも、その通りの結果にはならず、またそこから復帰するにもその操作が解らず立ち往生するということはよくあることだと思う。しかし、この本には、典型的な設定ミス・操作ミスなどをした場合の結果画面(症状)が示されていて、そのやり直しの手順がきちんと説明されている。これがスイスイ独習できる秘訣である。ただ、欲を言えば、例題となる図面のどの部分の操作をこれからやるのかなどを確認するときには、逐一例題となるページをめくり返さなければならないのが面倒であった。例題の図面を縮小した図を要所に再掲する、あるいは例題図面を切り離すなどの工夫はできないものだろうかと思った。 この本を1回通して学習すると、基本的な操作が一通り身に付いて作図できるようになるし、理解度が基礎レベルであっても角度・寸法の計測や作図、レイヤの組合せの活用など、鉛筆・定規で紙に向かうのに比べていかにcadを使うことにメリットがあるかを体感できる(と同時に、これをフリーソフトで提供し続けている方には、思わず最敬礼したくなってくる)。 例えば、セルフビルドの家の図面引きなどは1度きりのことなので、いちいち勉強していられないと考える向きもあるかも知れない。しかし、たとえ一期一会のソフトになったとしても、4日で一通り操作できるようになるならば、活用しない手はないと思う。この本で独習すれば、使い方をマスターするのに、わざわざどこかに授業料を払う必要などない。cadのみならず、パソコン・ソフトの解説本の鑑と断言してよい、おすすめの一冊である。 |
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『木造住宅のための構造の安定に関する基準に基づく横架材及び基礎のスパン表』 | ||
| 在来工法(木造軸組工法)で住まいを設計したい人には必携のスパン表 | |||
この本は、在来軸組工法によるセルフビルドには必携本と言ってよいと思う。内容は、「1.部材の寸法形式」「2.部材の許容応力度とヤング係数」、「3.荷重」、「4.設計方針」と前提となるさまざまな解説に始まって、「本題の「5.スパン表」が続く。スパン表は、在来工法の伝統的モジュールに加えてメーターモジュールも並記されている。 評者はセルフビルドのために2×4工法で設計して提出した図面を、在来軸組工法に変更して再申請したが、在来軸組工法の解説書、在来軸組工法でセルフビルドをした人の解説書とともに、このスパン表を大いに活用した。これがなければ「矩計図」などは自分で作成できなかったと思う。したがって、これは在来軸組工法でセルフビルドする場合の必携本と言ってよい。ただし、簡便に活用できる反面、その表の前提をおさえておかなければ強度的に危険な家になってしまう。特に、表紙の見返しから始まる「本書について…」の3頁分は熟読しなくてはならない。 |
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| 『知っておきたい斜面のはなしQ&A−斜面と暮らす−』 | |||
| 「斜面」について専門家が多用な観点から概括した平易な解説書 | |||
近年は、都市部でも市街地の拡大にともなって山腹などを大規模に造成した住宅地が分譲されたり、田舎でも低価格の土地や眺望を重視した土地などを求めると往々にして傾斜地をしゅとくする場合が少なくない。このように、都市と田舎を問わず傾斜地に住む人は多いが、自らの住む傾斜地とはどのような性質を持っているか、どのような危険性があってその予防のために何に留意しなくてはならないかについては、一般にはほとんど知られていないのが現状ではなかろうか。最近は地震・暴風雨などの天災で土砂崩れなどが注目されるようになってきたが、その被害にあってから、自らの宅地の性質を知ったのでは遅きに過ぎるだろう。 この本は、土木学会の地盤工学委員会、斜面工学研究小委員会によってつくられた編集委員会によって編集執筆された本であり、Q&A方式で141の設問と回答で構成されている。斜面を総合的にさまざまな観点から捉えることを意図して編集された本である。項目ごとに専門の執筆者名が明示され、また参考文献等も紹介されている。 全141の項目は、「A.総合科学としての斜面工学」、「B.防災から見た斜面」、「C.維持管理から見た斜面」、「D.環境・生態系からみた斜面」、「E.景観・計画からみた斜面」の5つのテーマに分類されており、巻末にはキーワード索引がある。一般人にも分かりやすい記述が心がけられているせいか、ぱっと見た目はいかにも難解な雰囲気があるが、読んでみるとそれなりに理解できるようなないようとなっている。サイズがB5版でページ数も300ページ近い本であるが、低価格に抑えられている。 自らに関係のあるテーマ、自らの関心のあるテーマを拾い読みしても大丈夫な本であり、「斜面」を概括的に知るために、またそこから関係の深い項目を掘り下げていく入口に位置する本として有用な1冊である。 |
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平成19年改訂版 |
『平成17年改訂 木造住宅工事仕様書(解説付)』 | ||
| 現在の一般的な木造軸組工法の詳細を知るのに有用な一冊 | |||
この本は、フラット35(公庫証券化支援住宅)技術基準対応の仕様書で、設計検査・工事請負契約などの添付の用途にも使えるように構成されている。評者のようなまったくの住宅建築の素人が読んでおもしろいものではないし、そもそも読書の範疇には入らない冊子である。 しかしながら、この解説付きの仕様書は、今時の木造軸組工法の家がどのように造られているかを一通り知るためにかなり有効である。この仕様書は解説付とそうでないものがあるので、この目的で入手する場合は「解説付」がよいことはがよいことは言うまでもない。 さて、内容であるが、最初の部分のコメントは省略するが、特に「〔U〕工事仕様書」が最も参考になる。その内容は、「1.一般事項」・「2.仮設工事」・「3.土工事・基礎工事」・「4.木工事一般事項」・「5.木造躯体工事」・「6.屋根工事」・「7.断熱工事」・「8.造作工事」・「9.左官工事」・「10.内外装工事」・「11.建具工事」・「12.塗装工事」・「13.給排水設備工事」・「14.ガス設備工事・ガス機器等設置工事」・「15.電気工事」・「16.衛生設備工事・雑工事」・「17.3階建仕様」・「18.準耐火構造の住宅の仕様」と、これでもかと順を追って住宅建設に必要な各工事の解説が続くのである。さらに、省エネルギー性能・耐震性能・バリアフリー性能の解説もある。 住宅建築について知りたいと思った人が、まず最初にこの本を冒頭から読み込もうとしたら、数十分後には眠りについているに違いない。入手しても、最初のうちは本棚に立っているだけという場合の方が多いと思う。しかし、この本は、各工事ごとにまずは「一般事項」を概括し、次いで「用語」・「施工方法」・「関係法令」・「留意事項」などに仕分けして要領よく解説をまとめてある。特に「施工方法」や「留意事項」の解説文や参考図はとても勉強になる。家を建てることを本気にかつ具体的にし出したら、必要部分からじっくりと読み込んでいくとよいと思う。 なお、本書については、数日前に大きな書店で「平成19年改訂版 また、北海道の場合は、北海道版の分冊(200円)が出されており、全国版と併用して参照する必要がある。 |
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| 『自給自邸 セルフビルド魂万歳』 | |||
| アート関連の職業をもつオーナーによる店舗・工房併設の独創性あふれるセルフビルド事例集 | |||
この本は、INAXギャラリーでの「自給自邸 セルフビルド魂万歳」展とあわせて刊行された全70頁あまりの冊子で、写真を見ながら一気に読み切れる。静岡の伊東市宇佐美に建つ写真家・美術家の家、京都の伊根町津母に建つ彫刻家の家、栃木の益子町に建つ陶芸家の家2軒、静岡の南伊豆町蛇石に建つブティック経営者とミュージシャンの家を、カラー写真・モノクロ写真をふんだんに用いて紹介している。 紹介されているセルフビルド・オーナーは、みなそれぞれに独創的な要素の強い生業をもっており、その家には必然的に住居だけではなく、工房・店舗などが併設されている。住まいは人をあらわすというが、デザインといい、素材やその用い方といい、本当に独創的であり、持てる創造力を住宅建築で表現してみましたという感の強い家ばかりである。住まいは、どんな家に住みたいかよりも、そこで何をするのかということの優先順位の方が高いということを実感できる1冊である。 |
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| 『手づくり住まいづくり 住まいの実技実践講座』 | |||
| 在来木造軸組工法によるセルフビルドの実技を平易に解説 | |||
1975年以来、ユーザー向けの「住まいの実技講座」を主宰している一級建築士による在来軸組工法による家づくりの実技解説書である。全体構成は3章立てで、第1章は家づくり講座の30年の軌跡をまとめた章である。 また、第2章が内容・ボリューム共に本書のメインで、1〜8節は、基礎工事、木工事、屋根・樋工事、外壁工事、床工事、内装工事、塗装工事、水まわりの設備工事と順を追って施工の基礎を解説している。解説は、施工法や手順だけではなく、さまざまな工具の使い方からメンテナンスにまで及んでいる。さらに、左官工事の基本的な要領までもが説明されている。また、最後の9節は、「講座」の夏期実習で行った山小屋づくりの実践の記録である。 第3章は「講座」の卒業生らによる4例の家づくりの実例が紹介されている。ちなみに、このサイトでも紹介している2×4工法のセルフビルドに関する著書のある藤岡等氏もこの講座の「卒業生」ということだ。 モノクロではあるが写真と図版を随所に多用しており、とても親切なつくりとなっている。また、ユーザー対象に長年にわたって家づくりを解説してきた成果であろうか、文章も業者対象の解説書と異なって小難しさ、堅さがあまり感じられず、とても読みやすい。いわゆる「素人」が在来軸組工法の「いろは」を学ぶ本として最適な1冊だと思う。 |
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| 『週末家づくりを楽しむ』 | |||
| 週末の時間を活用した2×4工法によるハーフビルドの実践記録 | |||
著者は、単身赴任で東京の建設会社に勤める地質改良が専門の会社員で、以前「囲炉裏小屋」造りでセルフビルドにはまり、今回2×4工法によるハーフビルドで自宅を建てることにした。大勢の仲間の助力を得ながら、1年間で完成させている。 1人や2人の少人数というセルフビルドのスタイルもあるが、仲間が大勢手伝ったこの週末家づくりは、労働力的に助かると共に、協力し合って各工程を終了したときの喜びをみんなで分かち合えるという良さがあるということがよく伝わってきた。 構想・参加者・仮住まいの紹介に始まり、旧家屋の解体からエクステリアの完成に至るまでの実録は、さながら脚本・配役・楽屋紹介、第1幕・・・カーテンコールと進んでいく「週末家づくり劇場」のようであり、軽快に読み進むことができた。大勢でワイワイというノリであるが、安全確保の工夫や工具の使用法、コスト計算などの目立たない部分の記述からも、学ぶべきことは多いと思う。 |
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| 『日曜大工でつくるウッドデッキとガーデンエクステリア』 | |||
| ウッドデッキ製作の実践のためのノウハウをていねいに解説 | |||
自ら2×4工法のセルフビルドの豊富な経験を持ち、その体験から得たさまざまなノウハウをを出版してきた著者による、自作ウッドデッキをつるくための方法を解説した本。主としてウッドデッキ作成のための解説書で、これに全体の7割ほどの紙数が費やされている。残りはこれに付随するフェンス、パーゴラ、テーブル、イスなどの製作例を紹介したものだ。 第1章は、「屋外製作の基礎知識」として、使用する木材、金物類、塗料と、必要な電動工具や手道具に関する特性や使い方などが紹介されている。第2章「デッキの基礎知識」では、ウッドデッキの設計と各部のおさまり、基礎と遣り方の例を解説している。第3章は「デッキの製作」として、基本パターンと応用パターンに分けながら、基礎や遣り方から始まって仕上げに至るまでの実例が実践的に解説されている。また、第4章は「フェンス・パーゴラ」としてウッドデッキから独立して設置するフェンスとパーゴラの製作法が紹介されている。さらに、最後の第5章「テーブル・イスなど」では、バーベキューテーブルの製作法などが解説されている。 全体的な印象としては、DIYの豊富な実践体験を持ち、それらに関する著作を精力的に著している著者の本なので、実践的な細かなノウハウはとても役に立つと思う。ウッドデッキの作り方といえば、雑誌などの別冊ムックなどが一般的であるが、それより詳しい。しかし、設計士などではなく、実践体験者の著作であるが故に、この方の「設計」に関する解説部分には、しばしば物足りなさを感じてしまう。 実は評者がこの本を取り寄せたとき、ウッドデッキについて最大の関心を寄せていたのは、根太・梁・束のスパンの取り方をどうするかという点であった。これについては、2×4工法の住宅のようなスパン表はないことを指摘し、「プロであっても経験や感のようなものでスパンを決めます」と紹介してる。しかし、読者はノンプロなわけで、プロだからこそ経験や勘でものを決められるのだ言えよう。 結局、スパンについては「アメリカのハウツー書」として、出典を明示することなく、P.49に簡略なスパン表を掲載しているのみである。このように、安全性との関連が強いスパンの決定方法については、歯切れがあまり良くなかったように思う。そのような限界は持ちながらも、ウッドデッキを製作する上で役立つことは随所に紹介されており、製作前に一読すると大いに役に立つものと思う。 |
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| 『DIY工具50の極意』 | |||
| DIYのための手道具・電動工具の揃え方・使い方・選び方などをわかりやすく解説 | |||
セルフビルドの場合はもちろん、ちょっとした家具作りに、家の修理やリフォームなど、田舎暮らしならずとも、工具さえあれば、その使い方さえ分かれば、自分でやってしまえることは、意外に多いと思う。ちょっとしたことで、いちいち業者に頼んでいたらお金はいくらあっても足りない。一部の「職人」の方には失礼だが、昨今の「プロ」と素人の違いは、それをやるための道具があるか否か、その道具を使えるか否かという点が一番大きいのでは…、とさえ感じさせられる場面が少なくないように思う。 ただ、それならば自分でと思ったときに、いくつかの超えなくてはならないハードルがある。まず、「どんな工具があるのか」という点だ。基本中の基本の工具は、中学の「技術家庭」で扱ったこともあると思うが、現在の工具事情は昔とは常識がかなり異なってきている。また、パワーツールの普及も著しく、昔は見たこともないようなすぐれもののアイデア工具もある。さらに、基本的な工具であればあるほど、今さら人に聞きにくい、誰に聞いたらいいのかということも多いと思う。この本は、その辺を写真豊富に分かりやすく解説しており、はじめの1歩が踏み出せずにいるDIY初心者にぴったりの1冊である。 また、その工具はどの程度の性能・価格のものを、どのように購入すればよいのかという点も悩みどころだ。様々な性能・機能を備えた最高品質のものを買えればそれに越したことはない。しかし、大げさに言えば費用対効果の問題、つまり誰しも常識的にDIYにはDIYとしての「落としどころ」というものかあるはずだ。かと言って、「安物買いの銭失い」は、まっぴら御免である。この本は、様々な工具ごとにその辺の目安が見えてくるような、使い手のサイドに立った解説が書かれていて、工具を購入する際の心強いアドバイザーになってくれると思う。 さらに言えば、この手の本の中には、往々にして編著者・出版社の影に特定メーカーの「広告宣伝」臭がプンプンする本が少なくない。しかし、この本にはそれが感じられず、公正な参考意見を著した本として素直に読み進められる点にも好感が持てた。 内容は、1)「工具購入編−明日工具を買う人への超即レファレンス」、2)「パワーツール編−電動工具の選び方と実践テクニック!」、3)「大工道具編−使うほどに手に馴染むハンドツールの極意」、4)「作業道具編−DIYをさらに楽しくする必須アイテムたち…」、5)「計測道具編−プロとアマでは、この使い方で差がつくのだ」の全5編で構成されている。それぞれの末尾には「知ってお得なDIY役立ち情報」として、装備・粉塵対策・自作工具・メンテナンスなどのコラムやちょっとしたDIY用語集もついていて、大いに勉強になった。内容的にも、価格的にも、DIYに踏みだそうとする人が買って読んで、きっと後悔しない本だと思う。 |
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| 『キットでつくる2×4住宅マニュアル』 | |||
| キットハウスづくりの域を超える2×4工法によるセルフビルドのすぐれた解説書 | |||
著者は、セルフビルドのサポートなど、2×4住宅を幅広く手掛ける(株)モバイルホーム・ジャパンの社長である。本書はセルフビルダー体験記ではなく、業界人による2×4住宅の解説書であるが、この会社は日本の住宅建築市場の閉鎖性を「問題」として認識し、セルフビルダーが突き当たる障壁を乗り越えるサポートを行っている。 本書の内容は、そもそも2×4工法とはどのようなものかという基礎知識の解説から入って、揃えたい工具類の説明や各段階での具体的な施工法を解説している。図や写真の多用を心がけ、解りやすい構成となっている。 書名には「キットでつくる」とあるが、それに限定した解説に終始することなく、1からの施工を目指すセルフビルダーへの配慮も随所に見られ、2×4住宅に興味のある人なら誰もが一読してよい奥深い内容となっている。住宅金融公庫の仕様書にも記載されていない耐久性UPの一工夫などもいくつか紹介されており、一読の価値がある。なお、本書中に紹介されているWebサイトの内容も大いに勉強となる。 |
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| 『続・旧暦と暮らす 庵を結び炭をおこす』 | |||
| 必要最小限のスペースと直火のある生活の実践とすすめ | |||
ヨットで世界を周航し、大阪南太平洋協会(NGO)を設立した著者は、一級建築士として事務所を営む一方、阪神淡路大震災の復旧ボランティアや地域おこしのコンサルタントにも携わっている。大阪と広島県加計町の二住生活者でもある。 本書は、これらの広範な活動の中から、著者が考え、取り組んでいる「住まい方」をふたつ提言している。話は鴨長明『方丈記』に始まるが、内容は単なる懐古趣味や抽象的な観念論とは全く異なる。 第一には、必要最小限のスペースに住まうことの効用、すなわち生活者に快適さを追求する姿勢が現れ、その実現を体感できることの喜びを説く。 第二に、囲炉裏の復活で、日本で失われつつある、人間の生活文化としての直火文化を取り戻すことを説く。著者は、暖房や炊事の機能に加え、火が人の心に温もりを与え、心をオープンにさせ、周囲の雰囲気を和ませる効用を重視する。 この著者の主張は、土台となる体験が単一ではなく、他人の体験談の拾い集めでもない。多くの体験も感得も一個人の営みとして集成されている点で重みがある。 |
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| 『大きな暮らしができる小さな家』 | |||
| 家と外との連続性に配慮した手ごろな価格で満足のいく家づくりの事例集 | |||
建築家永田昌民氏の住宅設計についてのコンセプトとその多くの実例が紹介されている本である。帯に「建築家と考えるスローライフな家づくり」とあるが、広い建坪にゴージャスな設備という豪邸ならずとも、自然や光など外との接点を大切にする工夫で、手の届く価格で満足のいく快適な家をつくることができるということを示している。写真や図が豊富で、施主家族のライフスタイルやロケーションなどのバリエーションも豊富であり、それが個別に丁寧に説明されていて、とても解りやすい。 マイホームを建てようと思った人が最初に参考にする住宅展示場の家や住宅雑誌などの家はどれもアピール力抜群のすばらしい家である。しかし、30代の中間層など大半の施主は前提となる自分の予算を眼前にしたとき現実に引き戻され、いい夢を見せてもらったという思い出を胸の片隅に工務店との打ち合わせをすすめていくというのが現実ではないかと思う。 資金を無尽蔵につぎ込んだら「いい家」ができるのは当然の話であって、自分の予算規模に合わない例をいくつも見る暇があるのならば、このような少しでも実現性のある、あるいは部分的ではあっても採り入れられる余地のある「いい家」から学ぶことに時間を多く費やしたいものである。 家と外との連続性を重視する視点には、大いに学ばせられた。 |
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| 『ちょっとおしゃれに田舎暮らし』 | |||
| 自ら解体を請負って廃材を入手するなど、様々な苦労を重ねた理想の家づくりの軌跡 | |||
フランスの家具や建築に魅せらた山梨在住の家具作家が、フランス映画の好きな妻と取り組んだ理想の住まいづくりと住まい方を綴ったエッセイである。 3カ月のパリ滞在で得た理想の住まいのイメージ、10年がかりの土地探しと造成の苦労、昭和27年築の旧町役場を解体請負いを条件に無償で入手したこと、苦労してこだわりの形にしていったセルフビルドの経過、完成なった家に暮らす幸福などが著されている。また、全52ページものカラーページがあり、家屋の外観やエクステリア、屋内のつくりやインテリアコーディネイトなどが紹介されていて楽しめる。 敷地の造成から始めた大きな家屋のセルフビルドであるが、やはり住まいや住まい方に対する強い憧れや確固とした信念、そしてそれが少しずつ形になっていく喜びが、挫折することなく目標を達成させた原動力であろうことが如実に伝わってくる。 |
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| 『改訂版 木造建築 (住宅設計の実務)』 | |||
| 木造住宅建築の設計を学ぶための正統派の「教科書」 | |||
この本は、木造住宅建築の設計を学ぶ技術者向けに書かれたもので、専門的な解説書である。全4章で構成されており、木材の特性や規格、構造や意匠の基本を解説した第1章、地盤と基礎、軸組や床組・小屋組を解説した第2章、内装・外装の造作を解説した第3章、電気や給排水の設備工事を解説した第4章からなる。 読んだ印象としては、正統派的、教科書的な感じで、まさに木造住宅建築のトラディショナルにしてスタンダードな解説書である。セルフビルドを考えて最初に飛びつく1冊とは言えないが、後日、他の本を数冊読んでから再度目を通してみたが、やはり基礎・基本に沿った解説しているという印象を強くした。おもしろおかしさやストーリー性などは全くないが、在来軸組工法を「素人」でもかなり理解できる内容となっている。 TVや雑誌などでは、建築家による斬新で魅力的な印象の家づくりを目にすることが多いが、それはやはり基礎・基本をおさえたプロのなせる技というべきであろう。全部、あるいは一部であってもセルフビルドを考えている人はまず基礎をおさえておくべきと思うが、それを学ぶのに適した1冊と言えると思う。この類の本としはA5版とサイズがコンパクトで重宝である。ただし、価格は3,500円+税で、こちらの方は「コンパクト」とはいかないのが悩ましいところだ。 |
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| 『2002年 枠組壁工法建築物スパン表 CD-ROM付』 | |||
| 2×4工法の住宅設計を自分で行うのに必携のスパン表、CD−ROMも便利 | |||
| 通称2×4工法によって住宅を建てる場合、材料のサイズとスパンの相関関係を割り出す作業は強度を維持する上で不可欠だが、本書はそれを簡便に求めるためのスパン表である。 第1編「本書の利用方法」は、建築条件の確認、スパン表運用上の留意点、架構の形態、スパン表とプログラムの出力結果などの内容で、このスパン表を正しく活用するための解説が記されている。前提条件を誤解すると、スパン表もかえって危険なものになってしまうので、きちんと目を通しておきたい。 第2編は「構造設計の方法」では、構造材の断面寸法と断面性能、材料の許容応力度とヤング係数、長期許容耐力や材料の重量、各部位の固定荷重、積載荷重や積雪荷重が解説されており、スパン表の計算方法が示されている。 第3編「スパン表」でいよいよ本題に入り、根太・床梁・たるき・屋根梁・まぐさや特殊な形態(オーバーハングなど)のスパン表が図表で記されている。また、第4編「トラス」では、合板ガゼットトラス・メタルプレートコネクターによるトラス・スチールトラスなどを扱っている。 最後の第5編「CD-ROMの取扱い方法」で、動作環境・インストール方法・操作方法などが解説されている。このプログラムは、いくつかの条件を指定してやると、スパンを瞬時に計算してくれる「すぐれもの」で大いに役に立つ。 セルフビルドで2×4工法を採用する場合、強度を確保するための強い味方となってくれること間違いなしである。評者は、2×4工法の家を設計したときに矩計図を作成して官庁に提出したが、当サイトで紹介したセルフビルドした人による解説本、初心者向けの図解による解説本を勉強した。しかし、最終的にはこの「スパン表」がなければ図面を完成させることはできなかった。2×4工法のための必携本と言ってよいと思う。 |
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| 『木造住宅施工の実務手順 図解チェックシート175 新訂版』 | |||
| 2×4工法・在来工法の両方の施工実務を現地調査・仮設工事からていねいに図解 | |||
この本は、編著者であるハウスメーカーが自社で採用している施工方法を、工事監理の観点からチェックポイントなどを明示しながら、施工段階ごとに図解シートにまとめたものである。住宅の各工程ごとにさまざまな施工法がある中で、自社が採用している、もっとも典型的なものを示すことで、場合分けによって工程の進行、すなわち本の内容展開がいたずらに煩雑にならないように編集されている。 メインとなる木工事については、2×4工法と在来工法の2つが解説されている。読者は順番にページをめくって読み進めていくと、家を建てるということの具体的な工程を頭に思い描けるように構成されている。セルフビルド向けの本は2×4工法にせよ、在来工法にせよ、価格面との折り合いもあるのであろうが、木工事がメインになりがちである。しかし、木工事は住宅工事の一部分なのであって、他を外注するにせよ、家一軒を建てるための全工程の流れを一通り理解しておくことは重要であろう。その点で、この本は、現地調査や仮設工事の手順の解説から始まっているすぐれものである。 以下、参考のため、各章のタイトルを示しておく。1.着工準備、2.基礎工事、3−A.2×4の木工事、3−B.在来工法の木工事、4.屋根工事、5.板金工事、6.木製建具工事、7.タイル工事、8.左官工事、9.塗装・外装工事、10.内装工事、11.外装サイディング工事、12.その他雑工事、13.電気設備工事、14.給排水衛生・ガス設備工事。 セルフビルドするか否かにかかわらず、木造住宅を建てようと考えている人すべての参考になる一冊だと思う。 |
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| 『古民家再生住宅のすすめ』 | |||
| 古民家再生のためのプロセスや事例などをわかりやすく解説 | |||
はじめに第1章で、高気密・新建材・短い寿命、ミンチ解体など、現代の住宅の抱える問題を取り上げて解説し、第2章で本論の古民家再生の手引きをしている。 古民家再生のための建築家の選定や費用、古民家の見つけ方や選び方、設計・解体・移築のプロセスなどが順を追って紹介されている。 また、第3章では、古民家移築の具体的事例を、建てるに至る経緯から着工・完成、住んでみての感想まで詳細に紹介している。事例は、完全移築、部分移築、古材利用の新築やリフォームなど9例にわたるが、この章の前に16ページにわたってそのカラー写真が掲載されているので、イメージがわきやすい。 古民家の再生を成功させるために最も大切なのは、それを熟知したよい建築家との出会いということのようだ。 |
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| 『自分でやる庭の工事』 | |||
| 外構工事をDIYで行うための様々な作業全般のノウハウを詳しく解説 | |||
住まいのセルフビルドとは、ちょっと異質なタイトルの本だが、この本は一般にイメージされているようなガーデニングの本ではなく、また日本の伝統的な作庭の本でもない。コンセプトは、「思い通りの庭を丸ごと作るためのノウハウ集」とのことで、要するにエクステリア工事をDIYで行いたいという人のための本だ。 住宅工事にエクステリア工事はつきものだ。しかし、大工工事はDIYでできても、土木作業の方はちょっとという人は意外に多いのではないだろうか。プロならば、小さな重機類を使ってやる工事も、素人は道具を使ってやることになる。そのような読者のために、初心者が読んでも平易にわかるように解説した本である。 その内容は、1章が「庭造りづくりの楽しみ」と題したイントロダクションだ。2章は、「土を楽しむ」として、穴掘りから杭打ち・土留めなどの土木作業の基本が道具の使い方を含めてていねいに解説されている。石垣・飛び石・池・排水管・U字溝などの作業も紹介されている。本当にここまで基礎の基本から解説している本というのも、あまりないのではないだろうか。 第3章は、「セメントを使う」として、セメントとは、モルタルとは、という解説から始まる。素人にはちょいと敷居の高いセメントを使った作業ではあるが、読んでいるうちに、これを参考にすれば何とかチャレンジできそうな気にさせられる。練り・敷き・水盛り遣方・型枠工事・ブロック積み・はつり(コンクリートの削りだし)・レンガ積み・タイル貼りなどの作業のしかたが解説されている。また、ブロック塀・フェンス・門扉・敷石・バーベキュー台・外流しの作り方もわかりやすく紹介されている。 第4章は、「樹木を育てる」として、掘り上げ・植え込み・剪定・刈り込みなどの樹木を扱う基本作業の解説である。さらに、枝下ろし・生け垣づくり・実生による育て方・伐倒のしかたや枝の処理方法など、人手をかけてやる作業の方法が、要所要所をおさえたかたちで解説されている。 第5章は、「庭の工作物をつくる」として、木材加工、鋼材を使った接合法、さらにアーク溶接のしかたなど金工の基礎までもが解説されている。作例としては、ベンチとテーブル、パーゴラ、オイル缶の釜、アーチや庭道具の収納ラックが紹介されている。 内容全般を通した印象は、今さら聞いたり、調べたりするにはちょっと…というような作業の基礎の基本から解説することに徹しており、使う道具についても、使い方や選び方から自作の方法までを紹介する念の入れようだ。この本を最初の手がかりにすれば、初心者であっても、庭まで思い通りに作ることができるというのは、決して言い過ぎではないように思った。家づくりを終えたセルフビルダーに第二の楽しみをもたらしてくれるおすすめの本だと思う。 |
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| 『100万円の家づくり』 | |||
| 在来工法によるセルフビルドの作業を6坪の切妻屋根の家づくりを通して詳細に解説 | |||
著者は、千葉県大多喜町で平飼い養鶏で生計を建てる田舎暮らしを始め17年になる。その中で自宅・鶏小屋など30棟あまりを建築してきた著者の経験から得られた木造在来軸組工法によるセルフビルドの解説書が本書である。 「100万円の家」とは、2間×3間の切妻造の家のことで、著者は在来軸組工法の基礎が凝縮されたこの家を最初に(理解しやすいように、まずは模型で造ってみてから)造ってみることを提言している。 本文中の各頁には、図や写真が盛りだくさんで、文章の理解を十分に助けてくれる構成となっている。また、巻末には、断面図・基礎伏図・平面図・小屋梁伏図・小屋伏図・軸組図・立面図・番付表、ほぞや継ぎ手などの大きくて詳細な図面が13頁にわたって付録としてとじ込まれていて、読者に理解してもらおうとする著者の熱意が伝わってくる。 また、随所に著者の田舎暮らしに関するコラムがあり、興味のある読者にとっては楽しめる内容となっている。 |
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| 『木の家に住むことを勉強する本』 | |||
| 森林・樹木・木材から説き起こした奥深い「木の家」の解説書 | |||
本書は、書名通り、「木の家に住む」ということについて解説した本であるが、単に「木造住宅」について説明した本ではない。冒頭は、いきなり「森を知っていますか?」という問いかけで書き起こされており、森の成り立ちや樹木の性質など、木の家の材料である「木材」の解説はおろか、それ以前の森づくりの段階から説き起こされている点に、まず驚かされた。本題に入るための前段階の事項を、本源にまでさかのぼって丁寧にとりあげた解説書は、「木造住宅」の解説本という枠を取り払っても、なかなかあるものではないと思う。 また、「木材」の説明のあとに来る、本題の「木の家」の構造・工程・実例等の解説もわかりやすくてためになる。さらに、「木の家」にかかわる人、特に「棟梁」などの仕事ぶりや生活、生き様までもがとりあげられている。「木の家」について勉強する本とは言わず、ことさらに「木の家に住むこと」を勉強する本としているのも、一読すれば十分に納得がいく。さらに、巻末には「木造住宅用語辞典」や参考文献のリストなども付されていて申し分ない。 A4版・全216頁と大型の装丁で、写真やイラストも大きいものから小さいものまでふんだんに使われており、本文だけではなく見た目にも十分楽しめて勉強になる内容となっている。しかも、これだけの質とボリュームを兼ね備えながら、価格は1,980円とリーズナブルなことこの上ない。「お買い得」とは、まさにこのような本を指して言う言葉だと思う。「森」・「木」・「家」・「住」に関心のあるすべての人に、おすすめの1冊である。 |
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| 『日曜大工で建てる夢の手作りマイホーム』 | |||
| 2×4工法によるセルフビルドの実践を解説 | |||
2×4工法を独学して自宅をセルフビルドし、さらにセルフビルダーの支援組織「関西BIYの会」を1994年に組織した著者による2×4工法のマニュアルである。 著者は『日曜大工でわが家を建てた』という本も執筆している。この『…わが家を建てた』の方は、体験記的性格が強かったが、本書はサブタイトル通りにマニュアル的性格が強い内容となっている。 また、本書の冒頭には、その会員が挑んだ様々な意匠のマイホームの実例が紹介されている。さらに、工程の解説だけでなく、使用工具の解説や建材・設備の入手法、関係する建築法規の解説などもあって有用である。 |
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改訂2版 |
『初めて学ぶ図解ツーバイフォー工法 改訂2版』 | ||
| 初心者にもわかりやすい2×4工法による住宅設計の解説書 | |||
住宅をセルフビルドする際に、最適な工法のひとつとして、2×4工法がよくとりあげられる。本書は、その2×4工法の解説本である。 本のサイズがB5版と大きく、大きな図や表・写真などが盛りだくさんで、説明文とあわせて読みすすめていくと、とても理解しやすい構成となっている。 この本の他に、「スパン表」があれば、机上での2×4工法の理解はほぼ大丈夫なのではないだろうか。 2008年3月に改訂3版が刊行された(左の画像)。 |
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| 『日曜大工でわが家を建てた』 | |||
| 2×4工法によるセルフビルドの実践と経験を踏まえたアドバイスを紹介 | |||
| 著者は、2×4工法によるマイホームのセルフビルドに取り組み、計画段階から始めて完成までこぎつけた。 本書は、その実際に建築した工程に即して、作業の流れやポイントを経験を踏まえて解説した2×4工法の家づくりマニュアルである。 出版社に勤務していた著者は、日曜・祝日、盆・正月休みを投入して約2年の期間を要して完成させた。 実践マニュアルであるだけに、建築そのものの苦労や喜びだけではなく、家庭では夫や父親であるビルダーの苦労なども端々から伝わってくる内容になっているのが印象的だった。 |
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| 『自分で建てたあこがれのアメリカンハウス』 | |||
| 自分の夢やこだわりを徹底的に追求して実現した2×4工法によるセルフビルドの記録 | |||
2×4工法によるマイホームのセルフビルド体験記である。 タイトルに「アメリカンハウス」とあるように、著者の「アメリカン」なモノへのこだわりは半端ではない。 傍目にはどうでもいいことのように思われるのだが、この強いこだわりや憧れが、幾多の苦難を乗り越えて完成へこぎ着けるパワーの源のように思われた。 本書には、工程が進むごとに直面する様々な困難を、ひとつひとつをクリアしていく様子が書き記されている。 また、それとともに、デザインスタジオに勤務していた経歴の持ち主である著者の、親しみやすく解りやすい大きな挿し絵が随所に盛り込まれている。 文を読み、イラストを見ていると、その時々のビルダーの喜怒哀楽までもがよく伝わってくる、とても読み易い本に仕上がっている。 |
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| 『夢丸ログハウス選書D 手づくりログハウス大全』 | |||
| 「大全」の名に恥じないログハウスづくりの解説書、普通の家づくりにも役立つ情報が満載 | |||
この本は、ハンドメイド・ログハウスに挑戦するのに必要な基礎知識が網羅された、まさに教科書と言ってよい内容となっている。全7章に章立てされ、ログハウスの構造体や内装工事の施工法、チェーンソーワークとメンテナンス、材料の入手やコスト管理の方法などが詳細に解説されている。 また、土地の整地や基礎施工・ライフラインの引き方など、ひろく住宅建築一般に役立つ知識もとり上げられている。さらに、薪ストーブや囲炉裏、デッキなど、快適なログハウス住まいに欠かせないアイテムの設置・施工法の解説も丁寧である。特に、実用的で簡単なアイデア施工法の紹介は必見だろう。 また、終章には、スクールやメーカー・専門用語なども紹介・解説されており、至れり尽くせりの内容である。税込3,675円と高価であるが、全290ページというボリュームと、ふんだんなカラー写真やイラストなどを考えれば、納得の価格だ。 重厚な内容で、かつ値の張る本格的な解説書であるから、ログハウスに関する本をちょっと見てみたいという程度で購入するのには向かないと思う。あれこれ広く浅く検討した上、ハンドメイドログに焦点を絞り込んだ段階で、ぜひとも入手したい1冊と言えるだろう。 ただし、月々の本代に余裕があるならば、ちょっと見てみたいというだけで買っておいても損はない。この本は、「ログハウス大全」という書名を超えて、セルフビルドの家づくりをめざす人にとっては、その工法にかかわらず、役に立つヒントが満載である。 |
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| 『小さな森の家−軽井沢山荘物語』 | |||
| 著名な建築家の自邸「軽井沢山荘」を紹介 | |||
この本は、築40年を経た著者の山荘を写真集のようなスタイルで紹介したものである。文は、著者への談話取材等によって編集されたものである。建築の専門書としてではなく、誰にでも平易にわかりやすい本をという意図で作られているので、非常に見やすく、読みやすい。 第1章「山荘案内」は、導入部分として、人を山荘に案内するという構成で、カラー写真をふんだんに用いて、「軽井沢山荘」の概要を紹介する。第2章「心地よい空間をつくる手法 居心地を支えるディテール」では、建物の立地する気候などの場の特性、山荘として求められる機能などを踏まえた設計の工夫の数々が図面と文を豊富に盛り込んで紹介されている。第3章「軽井沢の四季 四季さまざまに変化する森」では、カラー写真を主体に山荘を通してみた軽井沢の森の四季の移ろいの自然美が紹介されている。第4章「軽井沢の暮らし 軽井沢の魅力と山荘暮らし」では、軽井沢や山荘との関わりや思い出がまとめられており、山荘を知る著者夫婦ゆかりの人の寄稿も掲載されている。第5章「山荘の変遷 小さな改造と増築」では、その後の必要に応じたリフォームの内容が短くまとめられている。また、最後には、著者の手描き設計図が掲載されている。 ページ数も少なく、カラー写真・モノクロ写真、スケッチ・図面などが豊富なので、一気に読める本である。著名な建築家の設計になる別荘建築の「傑作」の全貌をわかりやすく伝えている。 |
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